ラリマーの思い出

ラリマーの思い出夏が近づくと、無性にラリマーを身に付けたくなる。
お店を始めた頃、ラリマーは憧れでした。

母なる海と光と風を写し取った様な奇跡の宝石。

1980年代にカリブ海のドミニカ共和国で発見されたラリマー。
その年は世界で初めて「アースデイ」が宣言された年でもある。
まさに、地球の女神ガイアが鉱物の形をとって現代に生きる私達の前に姿を現したかのようだ。

その後の調査で、この地球上ではドミニカでしか産出されない事から、年々価値は上がるので高嶺の花。いつか、ラリマーを持ちたいという思いは夢の様なもんでした。

それが、アースキーパー水晶を輸入した仕事の関係でアメリカのディーラーさんからお礼にといただいたのが、このラリマーでした。
そのとき初めてラリマーの神秘をラリマーのフォースを感じることができました。
原始の蒼き海に映る太陽を閉じ込めることが出来る地球の技。
人間の誰にこんな美しい物質を作ることができましょう?
地球ってすごい。

い ただいた時は石だけだったので、どのようにアクセサリーにしようかデザインをあれこれ考えていました。当初はシルバーかゴールドいわゆる金属でペンダント トップにしようとしかアイディアが浮かばなくて、イルカや波のデザインを想像してたけどなんかピンと来ないまま時が流れ。。

とりあえず別の小さなラリマーのペンダントを着けてた。
ある日の事。
小さいラリマーを身に付けて自転車で通勤の朝、日頃ほとんど喫茶店に行かないのに、その日は道すがらのとある喫茶店に行って、雑誌を読まなければならんという想いがふつふつとわき起こり何年ぶりかでその店に入った。
はて、無性に雑誌を読みたいが(私は雑誌も新聞もほとんど読みませんです)どれが私を呼んでいるのかしらん?と雑誌コーナーへいくとハッと目に止まったのが「mono magazin」。
あぁ、monoマガジンだ、なつかしいなぁ〜。もう、何年も読んでないな〜とおもいつつタイトルを見ると「男のアクセサリー」とある。
これかも。
見れば、複数名の日本人アーチストによる手作り&オリジナルの素敵な男のアクセサリーが紹介されている。
その中で見開き2ページでど〜〜んと載っているネックレスの写真に心を奪われた。
「なに、これ?すごい。。。」
木とムーンストーンやローズクォーツを見事に配した見た事もないデザイン。
洗練されているのに、心温まる素材感と手作りの優しさ。
それにそれに、ムーンストーンやローズクォーツといえば女性性を代表する乙女心の石。
どうやって埋め込んであるのかトップには滑らかな楕円形に磨いた木にムーンストーンがまるで、最初からそのように存在してたかのように一つになっている。
チェーン部分はきっと手磨きであろう木のビーズとローズクォーツやその他の石がセンス良く配置されていて、こんな美しい自然と人間の手仕事の結晶が首に巻かれたらなんて幸せなのだろうと思う。
石の組み合わせも完璧だ!写真から溢れ出すエネルギーもただ事ではない。
こんなすごいものを作る人ってどんな人なのかしら?
地球を愛している天才だな。石のチョイスから見て女性性が見事に統合された人物だな。
制作者の名前を見ると
「HITOSHI KASAI」
ほぉ〜〜、かっこいい人がこの世にはいるもんだな、、、
え?!
カサイヒトシって。。
ひとしくんだよ!これ〜〜〜!!

ひとしくんは、1995年頃インドで出会った。
黒いロングヘアーの美しいインディアンの青年みたいだった。
その後、私は家族とインドを中心に旅を続け、彼は風の便りにイスラエルやアメリカに行ったと聞いた。
魂の美しい、心の大きな優しい青年だった。
しかも、超男前で。。。

それっきりヒトシ君の事も忘れ去ってた2006年。
私はサウンドセラピーの勉強で鎌倉にいた。
初めての鎌倉で足の向くままたどり着いたカフェ「麻心」 http://www.magokoroworld.jp/
元旅人のオーナーと仲良くなり、しょっちゅう遊びに行くようになった。
ある日、カウンターにエラい事ロン毛の美しい男性が座っていて
「この店はいい男が多いのよねぇ。。ご縁はないけど。。」などと思っていると
オーナーが
「もなりちゃん、こいつも同じ頃インドにいたやつなんだけど」と紹介されてふと顔を見ると
「あ〜〜〜〜〜!!」
「お〜〜〜〜〜!!」
10年ぶりじゃ〜〜〜んで、その当時鎌倉に住んでいたヒトシ君と再会。。

ますます、いい男に成長しているひとしくん。
かっこいい!かっこよすぎますぞ〜〜〜!!

聞けば、今は鎌倉でインディアンジュエリーを制作して生計を立ててるという。
さっそくアトリエ兼自宅に遊びに行った。
古都鎌倉の自然が多く残るお寺の近くにひっそりとある古民家。
整ったお部屋はネイティブインディアンのインテリアが日本の民家とマッチしてなんとも心落ち着く空間。
工房には、革細工やジュエリーを作る為の沢山の工具や彼が世界中から集めて来た珊瑚やアンバー、石達が整然と並んでいる。

はぁぁああ。。すごいな。いるんだな、こんな美しい人間が。
物静かなヒトシ君が、地球からの贈り物で今の時間と空間を繋ぎ合わせて作るアート。

部屋のあちこちにさりげなく手作りのドリームキャッチャーや鷹やワシの羽。インディアンの気高いスピリットを描いた美しい絵画や写真。インドの頃の仲間の写真。
ベジタリアンで庭にはトウモロコシが植えてあった。

美しく暮らすとはこういう事なのね〜といたく感動したもんです。

で、話は喫茶店に戻って。
その時は彼と再会してしばらくたっていた頃だったので、
これはもう、ひとしくんにお願いしようと確信したのでした。

で、心も軽やかに喫茶店を出て自転車で店に着くと

ない。

さっきまで胸にぶら下がっていたラリマーがない。

こんな事、初めて。ペンダント落とすなんて。
しかも、全然気がつかなかった。

あぁ、あの小さいラリマーは自分の役目が済んでどっか帰っちゃったんだ。
ありがとう。ありがとよ〜〜。
石って健気。。。

そして、ラリマーをヒトシ君に持っていった。
デザインのおおまかは決まっている。
地球の女神ガイアの石だもの。植物界の木と融合させてください。
オーガニックなアクセサリーにしてくださいと。
ヒトシ君は丁度よい屋久杉が手に入っているからそれを使いましょうといってくれた。
カタくて成長線の細かい美しい屋久杉の流木のカケラからは
屋久杉独特のあのかぐわしい匂いが溢れていた。

何ヶ月か過ぎて出来上がった作品はシンプルで力強く、ラリマーの魅力を最大限に引き出してくれた素晴らしいものでした。
どうやってこのラリマーを屋久杉に埋め込んだのだろう?
屋久杉の周りの黒檀はどうやってくっつけたのだろう。
トップの上のアンチックのイタリアン珊瑚がついた木のビーズも手作り。。

宝物というのは
芸術というのは
こういうものなのだ。

地球が手のひらにのるアクセサリーになったよ。

私が死んでこの世からいなくなっても
このアクセサリーはいろんな人の想いや心や愛を閉じ込めた物質として
地球に残り続けるんだな。この姿で。
そして、いつか何百年何千年とたった頃、誰かが土の中から掘り出して
この美を賞賛するのかしら。遺跡からでてきた出土品みたいに。

もの作りの尊さを知りました。

ひとしくんはアメリカでいろんなインディアンの部族のところを旅して、ジュエリー作りを学び、生き方を学び、愛を知り、命を知り、それを形にして私達に伝えてくれる。

これからの作品がますます楽しみだったひとしくんは
2年前、突然の癌で私達よりずっと早くあちらの世界に旅立っていきました。
38歳でした。

神様や宇宙の法則がどのように働いているのか分からないけれど
才能のある美しい人が、突然召されてしまうのは
ただただ悲しい。

お葬式には矢も楯もたまらず飛んでいきました。
沢山のお友達と美しいアメリカ人の婚約者に見守られながら
雨の降る中、参列者全員が手にセージを持って火を灯し、
セージの煙がたなびく中、ひとしくんの肉体とお別れしました。

その後も、機会があれば鎌倉にこのラリマーと行き
鎌倉の海でお清め&チャージをします。

この地球でこの時代に出会えた事。
その証がこんな美しい形となって私なんかの手元に残ってくださった事に
心から感謝します。

きっと、ひとしくんとは昔々インディアンで平原を駆け回っていた頃、
同じ様な志しを持つ友達だったんだろうなぁ。
がんばって生きて、よかったよね!また会えたもん。
そんで、また会えるんだ。
この地球でね。
その未来に、このラリマーがこのままで残っていますように。
そして、願わくば生まれ変わって来たときにまた、再会することができますように。

先日、やっとこさ「ホピの予言」の映画を見た。
高知でも上映したくて今年の始めに買ってたものだ。
でも、どういう訳か長い事観れなかった。
「GATE」を観て、どうしてもホピの予言が観たくなって制作者のランド&ライフhttp://www.h6.dion.ne.jp/~hopiland/さんから上映権付きで購入したDVD。
ホピの予言や、広島長崎に落とされた原子爆弾の原料となったウランが何所から採掘されたかを知ってる人は少ない。
フォーコーナーズというアメリカの4つの州が重なるところは太古よりホピ族の聖地であって、グレイトスピリットからその土地を守るようにといわれたホピ達が今も昔と変わらぬ暮らしを続けている。そこはウランの大鉱脈の上なのだ。
平和を願うなら、スピリチャルな生き方をしたいと願うなら、知っておかないと行けない事は沢山ある。
スピリチャルな世界に生きるという事は、霊感が発達して千里眼になる事ではない。
宇宙の法則を知り、地球の命のリズムを感じ、全ての生き物(鉱物界、植物界、動物界、昆虫界、海、山、川、大地)と調和しながら愛を育んでいく事なのだ。
平和の中に生きる事なのだ。

ラリマーには「育む」という性質が備わっていて、それは母親が我が子を慈しみ成長を見守る愛のエネルギーなのです。

いつもいつも、この石には学ばされます。

自然を大切に。母なる地球を大切に。子ども達に美しい地球を残そうね。

話は変わりますが、
ツーソンに行ったときラリマーのコーナーで面白いドイツ人に出会いました。
インドネシアのココナッツの殻を磨きそれに石をはめ込んで作っているアーチスト。
彼は元々旅人で、すっかりココナッツジュエリーの魅力にハマってしまい、滞在先のインドネシアで現地の人と結婚し、今もドイツで作り続けているという。
ココナッツジュエリーは放浪中時々ビーチで見かけたけど、これほど繊細で洗練された作品はあまり見た事なかった。すっかり旅人同士ノリで意気投合し何点か買って来ました。
時代が、ひとしくんやこのドイツ人の作品の巧みと美に共鳴するのはいつなんやろうと思いつつ、
この様な仕事に就けた事に感謝の想いでいっぱいです。

植物界と鉱物界が融合したジュエリーは、今の地球に必要な新しい価値観をインスパイアしてくれるように感じました。
人の手のぬくもりと、まごころ、自然界の調和です。
必要な人の所に旅立ってもらいたいです。

合わせて読んでもらいたい別の話:


ラリマーの思い出” に1件のコメント

  1. はじめまして。
    今ラリマーとカイヤナイトに魅せられていて調べているうちに、
    こちらのブログにたどり着きました。
    お写真のラリマーは本当に海を閉じ込めた天上の絵画のように自然でとても綺麗です。
    出合いとご縁には不思議は無いのですね。
    神妙と申しますか、畏敬の念を改めて抱きながら拝読させて戴きました。
    ありがとうございます。

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